ポルシェの窓が落ちた日

自動車に求める最低条件って、何でしょうか。
見た目が好き、安全性が高い、運転がしやすい…いろいろありますよね。

ちょっと古めの車が好きな夫に、私がずっと伝えてきた条件は2つ。

・車から火が出ないこと
・エアバッグが付いていること

十数年前、まさか夫がポルシェに乗るとは思っていなかった頃、
これにもう1つ条件がありました。
「窓がちゃんと閉まること」です。

ある日、明らかに年数の経った車が、窓を斜めに開けたまま走っているのを見かけました。
「古い車は、窓が落ちることがあるんだよ」
夫にそう言われた時の衝撃は、今でもよく覚えています。

それなのに。

ポルシェに乗り始めて半年ほど経ったある日、その窓が落ちたのです。

さらに、ディーラーで出された修理見積もりを見て、またびっくり。
一度家に持ち帰り、直すのか、諦めるのか、真剣に考えることにしました。

調べてみると、原因は窓を上げ下げする「ウインドウレギュレーター」という部品の不具合。
定番のトラブルらしく、ネットには情報がたくさんありました。

「じゃあ、自分で直してみよう」

そこから始まった、夫と窓修理との長い付き合い。
10年間で、気づけば4回も修理していました。

その中で、はっきり分かったことが2つあります。

①部品交換後の「調整」がすべて(交換作業自体は、2人いれば意外とできる)

②ウインドウレギュレーターは、できれば純正品、少なくとも高品質なOEM品を使う
 ※OEM品とは、部品専門メーカーが製造する、純正品と同等の品質で作られた安価な部品のこと    

実は、大変なのは交換そのものよりも、その後の調整です。

窓ガラスとドアの、ほんのわずかな上下・左右の位置。
これを完璧に合わせるのは、なかなか骨が折れます。
(回を重ねるごとに、コツがわかってきました)

そして、もう1つ大切なのは部品選び。

ネットで数千円の安いものは、直してもまたすぐに壊れてしまいますが、
高品質なレギュレーターは耐久性がとても高いです。
さらに、ドアを開けた時に窓ガラスがきちんと下がります!
(窓枠のない車は、ドアを開ける時に窓がちょっと下がる機能がついていることが多いです)

「ここだけは、ケチらないほうがいい」
そう実感した、数少ないパーツのひとつです。

窓がぴったり閉まる。
すきま風が入ってこない。

20年前のポルシェに乗りながら、そんな小さな安心感を今日も感じています。