完璧じゃないけどあたたかい、そんな介護を続けていく

年を重ねたり病気やケガによって、それまで当たり前にできていたことが難しくなる。
これは誰にでも起こりうることで、特別なことではありません。
まわりの人の支援や「介護」が必要になることもあるでしょう。

「介護」が必要になったとしても、
介護をする人・される人、どちらか一方が我慢するのではなく、
お互いの生活や思いを尊重し合える関係が理想ですよね。

一人ひとりが自立したうえで、困った時には支え合う。
そんな「介護のかたち」について考えてみたいと思います。

1.介護の始まりや終わりは、予測できない

介護は、ある日突然始まることがあります。
どれくらい続くのか、どんな支援が必要になるのか・・・人それぞれまったく違います。

親と同居している人もいれば、遠方に暮らしている人もいます。
子育てや仕事と両立しながら介護をする人も少なくありません。

だからこそ大切なのは、まわりと比べず、「自分たちがどんな暮らしをしたいか?」を考えること。
「自分たちらしい介護のかたち」で、完璧でなくてもいいので続けていくことが大切です。

2.介護は「その人のできること」を支えていくこと

介護と聞くと「身の回りの世話をすること」をイメージする人も多いのではないでしょうか。

実は、高齢者の介護を社会全体で支え合う「介護保険制度」の基本にあるのは、自立支援という考え方です。
これは、できることを活かしながら、その人らしい生活を送ることができるように支援すること。

「できないことを代わりに行う」という視点だけでなく、
「自分のしたいことや自分のできることを行うための支援」も、介護においてはとても大切です。

そして、そういった支援の方法を一緒に考えてくれるのがケアマネージャーです。
本人や家族の声を聴きながら、その人に合ったプランを立ててくれる心強い存在です。

3.家族だからこそできる関わりもある

家族だからこそ距離のとり方が難しく、遠慮して言えなかったり、
逆につい言いすぎてしまったりすることもありますよね。

本人や家族が、年を重ねる中での変化をなかなか受け入れられず、
お互いの気持ちがすれ違うことも少なくありません。

そんな時には介護のプロの手を借りたり、家族の中で役割を分担したりしながら、
「本人がどんな暮らしをしたいのか?」を一緒に考えていけると、
気持ちも少し軽くなるのではないでしょうか。

  • 好きなもの、嫌いなこと、生活のペースなど「その人らしさ」に寄り添った接し方  
  • 日常のさりげない会話やふとした触れ合いなど、自然なやりとり
  • 今まで過ごしてきた思い出を一緒に振り返る時間

気持ちや時間にゆとりがもてたら、家族だからこそできる関わり方が見つかるかもしれません。

4.まとめ

支える側にも日々の生活があるから、心や時間にゆとりを持つのはとても難しいものです。
相手に自然とやさしく向き合えるよう、まずは自分の足元を整えることを意識してみませんか?

そのうえで「自分たちはどんなふうに暮らしたいのか?」を軸に少しずつ話し合うことで、
「自分たちらしい介護のかたち」が育っていくのだと思います。